うつ病
我々が小さい時、「あの人は精神病で、頭がおかしい」という話しをよく聞いた。しかし、最近は研究が進んだためだろうか、とにかく多くの病名らしきものが溢れている。統合失調症・双極性障害・パニック障害・適応障害・解離性同一性障害、子供ではアスペルガー・学習障害(LD)・多動障害(ADHD)。専門家に分類してもらえば、この何十倍もあることでしょう。
このような精神的な病気の中で最も身近なものが「うつ病」である。友達にも同級生の奥さんにも、或いは近所でも聞くことがある。しかし、どうもこの病気についての基本的なことが、知られていないように思う。うつ病は病気であること。それがただ精神的な病気であること。頑張ったら直るものではないこと。心が風邪を引いたような状態であること。
体が風邪を引いて熱が出た時には家で静かにして直します。それにもかかわらず、うつ病に対しては「家の中にこもっているから直らない。家族がもっとしっかりさせないから直らない」はては、「名前の字画が悪い。家の方角が悪い。お払いをしなければいけない」と周りから言われる。その結果、ますます病気が悪くなったということも聞きます。
うつ病でありながら、その病気とうまく付き合い、大きな仕事をなし遂げた人がいます。英国首相のウィンストン・チャーチル、作家のヘミングウェイやアガサ・クリスティ。日本でも多くの芸能人がこの病気で苦しんでいる話を耳にします。
うつ病の方は毎日を頑張っています。だから、「もっとガンバレと言わないでください」。とにかく、話を聞いてあげてください。もし声を掛けるなら「のんびりやろうね。充分ガンバッテいるのだから」と言ってあげてください。
*写真はウィンストン・チャーチル