トヨタ最高首脳会議

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 1月12日、トヨタ自動車本社において、最高首脳会議が行われ豊田章男副社長の昇格が確認された。今回の会議の出席者は豊田章一郎名誉会長、奥田碩相談役、張富士夫会長、渡辺捷昭社長の4人である。このニュースを読んだ時、これはどこかで聞いたことがあるような気がした。
 それは豊田喜一郎から石田退三への社長交代の時の会議であると思い出した。1950年(昭和25年)5月末の名古屋市東区白壁町の豊田利三郎邸。出席者は豊田利三郎、豊田喜一郎、岡本藤次郎、豊田英二そして石田退三の5人である。トヨタ自動車工業が戦後の一番苦しい時、労働争議がおこり、初めて1600人の解雇が発表された。そのような情況の中で行われた会議で次期社長に石田退三がなることが決定された。
 今回の会議にもし、章男副社長が出席していたとしたら、人数といい、顔ぶれといいほぼ同じである。トヨタは非正規の社員3000人の削減を昨年暮れに発表した。時代は違っていても、社会状況は似ているといえる。
 石田退三が社長に就任した途端に、朝鮮戦争特需が起って、トヨタの業績は急回復した。今回直ぐ、このような幸運に章男新社長が恵まれると予測するのは楽観すぎるかもしれない。

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