五省

 皆さんは「五省」という言葉をご存知でしょうか。私は旧海軍兵学校出の人から最近教えていただきました。それまで、全く知りませんでした。ある年代以上の方達は内容まで知らなくても、よく聞いたことがある言葉のようなんです。以下がその全文です。
一、至誠に悖る勿かりしか     (もとる・なかり)
一、言行に恥づる勿かりしか
一、気力に缺くる勿かりしか    (かくる)
一、努力に憾み勿かりしか     (うらみ)
一、不精に亘る勿かりしか  (わたる)
 考案者は、昭和初期の兵学校校長であった松下少将。現在では、使われることがない漢字や言葉が並んでいます。これをスラスラと読める人、或いは空で言える人は旧海軍兵学校出の軍人さんでしょう。海軍兵学校では夜の就寝前の5分間。当番学生がこれをゆっくり読み上げる。それを聞き、今日一日反省したことを紙に書き、箱に納めて寝たそうです。私自身、軍隊というものを全く知らないし、軍隊を賛美しようなどという気持ちも全くない。だが、戦後この言葉を見たアメリカ海軍の高官が感銘し、英訳文をアナポリス海軍学校に掲示し、現在でも教育に生かしているという話には、何か心を動かされた。
下記は五省の英文です。英語の得意な方はこちらをどうぞ。
Five reflections
Hast thou not gone against sincerity?
Hast thou not felt ashamed of thy words and deeds?
Hast thou not lacked vigor ?
Hast thou exerted all possible efforts?
Hast thou not become slothful?

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