佐吉のお母さんは病弱?
佐吉小伝②
佐吉について書かれている諸本に、お母さんゑいさんは病弱であったとある。しかし、具体的なことはどこにも見あたらない。病名だとか、寝込んでいたとか、子供たちが家事を替わってしたなどの描写はないのである。
ゑいさんは大正12年に満77歳で亡くなっている。この頃の平均寿命は40歳~45歳である。もちろん、その当時は赤ちゃんの死亡率が高いので、それを差し引いても60歳くらいだそうである。ゑいさんは充分長命であったことになる。長命と体が丈夫であることは直接には結びつかないが、佐吉のお母さんはそれなりに長生きしたのである。
佐吉との関係で登場するお母さんはやさしくて、良く気がつくこまめな人である。寝込んだりはしないのです。昔のお話は日本的な「強い父、やさしい母。貧しくても頑張る主人公」であることが喜ばれた。お母さんゑいさんは病弱という役割を与えられたのかもしれない。
* 写真は佐吉の母ゑい