佐吉先生は何度でもだまされる人

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佐吉小伝⑨
従兄弟の森米治郎と親戚の伊藤久八が企てた鉄道の枕木を陶製でつくるというトンデモ話に佐吉先生は乗ってしまいます。糸繰返機での儲けが淡雪のごとく消えました。そんな伊藤久八に、豊田代理店伊藤商店というおかしな名をつけた店をまかせました。結果は久八の使い込みというものでした。
藤八の援助で発明家としてデビューした佐吉を三井物産は井桁商会の技師長として招きました。はっきり言えば利用でしょうか。そして、発明至上主義の佐吉先生は利益優先の三井とは全然合わなくて、怒って止めてしまいました。
次に、三井は豊田の名前を入れた国内最大級の「豊田式織機株式会社」をつくり、またしても佐吉先生の勧誘にまんまと成功。だが、発明だけが命の佐吉先生は、再び三井の思惑とぶつかってしまいました。今度は、三井の方が佐吉先生の首を切ってしまいました。
ところが、佐吉先生は懲りないのです。長年の夢である中国大陸への進出に対して、またも三井のバックアップ(陰の声、そそのかされて)で上海へ進出。だが、これがなんと大成功。人間というものは幾つになっても懲りないものであるが、夢を追い掛けることも大事なのでしょう。天才には。
* 写真は豊田佐吉先生の上海のお宅です。この大邸宅が大成功の証拠です。

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