保下田の久六 次郎長と決闘の場
安政6年6月19日、今の半田市乙川吉野町で清水次郎長と保下田久六の喧嘩があった。
次郎長は、大政、森の石松、緒川の勝五郎を連れ葭野畷の葦の荒れ野で久六一味を待った。同日の昼下がり、一行は対峙、チャンバラが始まった。「乙川の決闘」である。
勝負は次郎長の勝ち。それはそうでしょう、葦の荒れ野に隠れた次郎長組は、何も知らずに通りがかった久六一味に突然襲い掛かったのだから、良くいえば奇襲。悪くいえば待ち伏せのだまし討ち。
そんなことはどっちでもいいのだが、その時、重傷を負った保下田の久六が逃げ込んだのが写真の杉浦善次郎庄屋邸。
「助けてくれ~」とばかりに庄屋邸の柱にしがみついた。その血のりが長く残っていたのだが…
その庄屋邸の門がいつの間にか改築されていた。きれいになることに文句は言わないが、淋しい限りだ。せめてこの写真を拝みながら、次郎長と久六を偲ぼうではないか。