友清歓真全集
どうしても調べたいことがあって鶴舞図書館に出かけた。
杖を片手にカバンを肩にトボトボと行った。
天気には恵まれて、寒いが快晴。(ぼくは脳梗塞の後遺症で感覚障害、暑い寒いが余り分からない。だからみなさんほど寒さは感じない。その点、ぼくの身体は優秀だ。…かな?)
公園の入口。鶴舞公園だから鶴が舞っている。当たり前! ちょっとは工夫しろよ、と言いたくなるのはぼくのやぶにらみ。悪い癖。
図書館に到着。どうしても調べたいのは「烏八臼(うはっきゅう)」・「千賀志摩」・「陰陽師」の関係。そのヒントが友清歓真(ともきよ・よしさね)にあるかもしれないと思い、彼の全集を読みに来たのだ。
閉架から出してもらった。
手押し車に載った分厚い本が8冊、ドン~!
おっ~、と唾を飲み込んだ。
ここで杖の威力。
ぼくの杖を見た図書館員が「机までお持ちしましょうか」
ぼくは「結構です」と見栄をはって手押し車で席まで行った。
それから4時間、全集読破! とは言えない、長年鍛えた編集者流の斜め読みである。
閑話休題
昔、出版社に新人が入社すると毎日3冊から5冊の本をあてがわれ書評を書かされる。2~300ページの本を3冊読み、その内容と要旨をまとめる。むろん仕事であるから手抜きは出来ない。
これを何年もやっていると1ページを10秒くらいで読めるようになる…、というか読みたい文言だけ読めるようになる。
まあ、いい加減だけどね。
そしてベテラン編集者だったぼくは、友清歓真全集全八巻、5000ページを3時間少々で読破したのであ~るっ!
内容? 成果? あまりなし。少しだけあり。
図書館の帰り、鶴舞駅前に焼き鳥店がオープンしていた。
「生ビール、何杯呑んでも1杯100円」の看板。
後ろ髪を引かれる思いだったが立ち寄る元気なし。
情けない身体になってしまったものだ。