年末回想② 落ち目の西まさる
人間、落ち目になりたくない……
などと言うと妙に粋がっているようだが、この年末は実感した。その実感は、しみったれた事だが、生まれて初めて来年のカレンダーを買いに行った悲哀だ。
毎年、年末になると、いろいろな方が来年のカレンダーをお持ちくださる。10数本は下らない。そんなに沢山、ぶら下げることもないので、大部分は絵柄やデザインを見て、そのままお蔵入り。使うこともなかった。もったいない話だがそれが常だった。
ところが今年は、なんとゼロだ。誰も持って来てくれない。落ち目の西まさるにギフトする必要がなくなったようだ。
カレンダーなんかいらんわい! と悪態ついても、実際、1本や2本なくては困る。
1年間、カレンダーなしというわけにもいかないので、近所の三洋堂書店に買いに行った。驚いた、カレンダーというものは意外と高い。1千円はする。2千円近いものもある。今までタダでもらっていたこともあり、実に高価に感じる。また、デザインや趣向も多彩で迷った。迷った末、何も買わずに帰って来た。
今年、わが家にカレンダーなどギフトがないのは、〝落ち目〟もあるが、小生の入院騒ぎで11月~12月は西まさる編集事務所が休業状態にあったからだ…、と思いたい。しかし、そう自らを慰めても淋しさはある。
西まさる、落ち目の三度笠。
ああ、カレンダーよ。