昭和史の隠れたドン 唐獅子牡丹・飛田東山 西まさる著
ようやく飛田東山伝が書けた。飛田東山の留守宅からの多くの資料、ご友人からの資料を基にしたノンフィクションである。
この本の第一話は「皇太子の義父」。政府高官が訪ねて来て、「飛田さん、皇太子殿下を養子に迎えてくれないか」と言った。無論、実話である。
こうして話は続くのだが、自分の本の紹介や宣伝はまこと難儀。書きにくい。やむを得ず、出版社がアマゾンに書いている紹介文を転載する。
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高倉健主演で大ヒットした唐獅子牡丹シリーズの実在モデルとなった飛田東山には、全身に見事な〝唐獅子牡丹〟の刺青がある。だが彼はヤクザではない。
東山が生涯貫いていたのはたった一つ、「弱きを助け強きを挫く」こと。弱い者を助ける義侠心、横暴な力に向かう反骨心で、下層労働者の労働と生活環境を守るために一生を懸けた。
日本初の下層労働者の組合、全国組織「社団法人 扶桑会」を結成。彼らの労働環境改善に成功した。
戦時中、この組織を率いて地下工場や松代大本営を建設したのは飛田である。
東山の交友関係は多岐にわたる。
東京・青梅の東山邸には、岸信介、中曽根康弘、大野伴睦といった大物政治家や将官クラスの軍人。
渋沢敬三、住友銀行の堀田庄三や浅井孝二、電源開発総裁・藤井崇治などの大物政界人。
稲川組・稲川聖城などの広域暴力団の組長。児玉誉士夫や笹川良一も見え隠れする。
吉川英治、尾崎秀樹、尾崎士郎、朝倉文夫、川合玉堂、島田磬也、村田英雄、高倉健。そして辻政信。
一流の著名人たちの訪問が絶えず、時に国家の未来を左右する重大な相談事が持ち込まれたりもした。
しかし彼らビッグネームの殆どの自伝や回想録には、まるで口裏を合わせたかのように、あれだけ親しかった東山の名が一切出て来ない。
フィクサー、黒幕、影のドン、無冠の帝王と言われ、日本の権力の暗部に出入りした東山は、なぜ昭和史の表舞台から消されたのか。
誰も書かなかった、書けなかった飛田東山の謎。
昭和史のパンドラの匣が今、開く!
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本は9月1日発売開始。アマゾンなどネット書店では予約販売中。全国書店には9月7日以降に配本されます。
定価1,500円+税