玉木幸則さん
強制されて参加する講演会ほど退屈なものはない。興味のないことを長々と聞くのはつらいものである。ほとんど眠さをこらえることにエネルギーを使うことになる。
だが、先日の玉木幸則さんの講演は久しぶりに、聞いた後に清々しさが残った。しかし、玉木さんの話はとても聞き取りにくいのである。仮死状態で生まれ、脳性まひのため話し方や歩き方に障害を持っているのです。彼は現在西宮市に住んで、障害のある方の自立を手助けする活動を精力的に行っている。彼自身、結婚もされ小学生の男の子と女の子を持つ父親であり、しっかり自立もされている。
その玉木さんが、阪神・淡路大震災で家屋の下敷きになり、二時間後に救出されるという経験をしたのです。「障害者は電車に乗る時もトイレを使う時も、いつも我慢をしている。だが、震災のような災害に会うと人間は我慢をする前にやさしさのない勝手な行動をするようになる」と言われた。障害者として震災を体験すると、人間としての本性が見えてくるという話は最も考えさせられた。
タオルで30秒ごとに汗をふきながら、関西弁での冗談を交えての話は心に残るものがありました。