豊田喜一郎
新聞にトヨタの文字を見ると、条件反射で、そちらへ目が行ってしまう。「豊田章男社長の曽祖父豊田佐吉は・・」などとあれば、目は自然と記事の先を追っている。親戚でもないのに、ここ何年か豊田佐吉と付き合ってきた。
おのずと佐吉の家族のことについても興味を持つことになった。特に佐吉の二人の妻に関しては、妄想のたぐいも含めて頭の中で、考えがグルグルと回ることもある。先妻「たみ」について最近また考えることが多くなった。
そうすると、今まであまり興味がなかった佐吉とたみの長男喜一郎について気になり始めた。発明に異常な情熱を燃やす喜一郎。会った人に陰気な感じを与える喜一郎。その落差は大きい。遺伝であろうか、それとも不幸な生い立ちが原因であろうか。
だが、喜一郎は父の佐吉とは違って、家庭を大事にする良き夫であり、良き父親でもある。写真は明倫中学時代の喜一郎。この写真を喜一郎と分かる人は、よほどの喜一郎おたくでしょう。(写真は尾崎正久著「豊田喜一郎氏」より)