陰陽師の墓 鬼崎海苔
陰陽師の里に陰陽師だけの神道墓所がある。知多市八幡(寺本村)である。
南岸低気圧に負けず突撃した。朝はマイナス1度、昼でも4度というが伊勢湾には伊吹颪がビュンビュンと吹く。体感温度は0度に近いだろう。
写真は陰陽師7家の墓所である。伊達、高橋、永井、森岡、吉田、久野、松田の7家の代々の墓標が立っている。中には墓碑に辞世の歌を刻んであるものもあった。
新しい花も供えられていたから今も墓参が絶えないのだろう。
ここが陰陽師の里。尾張万歳の里、黒鍬衆の里である。感慨深い時間であった。
帰りは鬼崎漁港に寄り、鬼崎海苔を買うことにしていた。
鬼崎海苔は超一級品。地元ではほとんど流通せず主に東京の高級寿司店に出荷しているそうだ。
漁協に電話して在庫を確かめると「あります。3700円から4500円です」。
「はい、分かりました」と言ったが、側で女房が角を出している。「うちはいつもいくらの海苔を買っているのか知ってる? せいぜい2000円よ!」。
しばし沈黙。
しかし漁港へ。伊吹颪にうねる海。この風に乗った木曾三川の栄養分がここ鬼崎にちょうどぶつかり、こくのある上等な海苔を育てるようだ。
海苔の味? それはまた今度ね。