5月になった
5月になった。
ぼくが若かった頃、5月1日はいつもよく晴れて、歌声が晴れた空に響いていた。
何万人もの人が列をなし、旗を掲げ、歌いながら歩いていたものだ。
若いぼくは、若くてきれいな娘さんの目を気にしながら、大声で歌っていた。若い娘さんもチラチラとぼくを見ていた…
そんな時代、ぼくたちは貧しかっただろうか。
今はそんなに裕福だろうか。
良い世の中になったとは思うが、何か足らないのも事実だろう。
もうメーデーは、5月1日にはやらないらしい。
長くメーデー会場には行っていないが、今でも「赤旗」や「がんばろー」など労働歌は歌っているのだろうか。
5月1日。きょうもよく晴れた日だ。でも心はなぜか晴れない5月1日である。