SKE48と神社
7月に2度、南知多町を訪問することになってしまった。
絵入本学会と熱田の森文化センターのエクスカーション(野外調査・野外講座)である。
熱田の教室の方は気心の知れた受講生たちなので、そう気は遣わないでいいが、絵入本学会(絵本や絵画を研究する学会)の方は大学の教授ばかり20名。それも東京から来られる人も多く、万事、スムーズに運びたい。
そんなことから今日、ざっと下見に行ってきた。
絵入本学会の調査はかつての南知多と吉原遊郭の関わりだ。
これは実に面白いので後日、また、お知らせしたい。
さて、下見だが数年ぶりに羽豆神社にも行った。
羽豆神社は知多半島に三社しかない延喜式の式内社で格式の高い神社だ。
社は羽豆岬の先端の小高い丘にあり、その丘全体(社叢)が国の天然記念物になっている。
そればかりでなく、羽豆崎城など歴史的にも貴重な史実を孕む由緒ある神社だ。
だが、近年、宮司も常駐しない神社になってしまい、すごく寂れてしまったとの噂を聞いていた。
ところが行ってびっくり。
境内はきれい、というか若さに溢れている。
参詣客も多い。それが若い。若い男の子が次々に来る。
20代の青年のグループとすれ違う。「アオヤマの連中はどこ行ったの?」との会話が聞こえた。
アオヤマは青山学院大学? 青山学院の学生は自分の大学を「アオヤマ」と言い、学外の人は「青学=アオガク」と呼ぶと先日、OBに聞いたばかり。
すると、この青年たちは東京から来た青山学院の学生なのかな。
なんで寂れそうな式内社に若い連中、それも若い男が多いのだ。
わかった。
SKE48が近年、「羽豆岬」という歌を歌っているからだった。
岬の先端に歌碑もあった。(SKE48やAKB48の説明はいらないよね。)
神社には絵馬がいっぱい、さがっている。何百枚もある。
見せてもらうと、SKEの「誰々ちゃん、がんばって!」のものばかり。
先日、暴漢に襲われてケガをした娘(ぼくは名前も知らないが)への、お見舞い絵馬が目に付いた。普通、絵馬というと合格祈願や家内安全などを連想するが、ここは違う。アイドルがんばれ祈願だ。
神社も生き残らなければいけない。
日本武尊を祀ろうが、千賀志摩守を祀ろうが、SKE48を祀ろうが、一向に構わぬが・・・
まあ、羽豆神社がんばれ! と言っておく。
皮肉じゃないよ。がんばれ羽豆神社!