世界に誇る大企業トヨタについては広く知られるところであるが、トヨタの創業者、豊田佐吉が世界に列する偉大な発明家であることは昨今、忘れられつつある。
貧しく若い発明家・豊田佐吉が、どのようにして育ち、やがて大企業家になっていたのかを本著は鋭く見る。この草創期のトヨタを深く知ることで昨今注目の「トヨタイズム」に迫る一面もあり、面白い。
著者は、佐吉のその試験工場跡に住む。そんな関係での地縁、血縁は強固で、今まで表面に出たことのない史料や逸話も多く発掘、惜しみなく掲載。これら史料は豊田本家筋、石川家本家筋、西川家、三井家などから提供された初公開のものも多く貴重であり、歴史的価値も高い。また豊田家自らが昭和11年に作製した系図と、それを基に作製した系図や年表も付録。