『吉原はこうしてつくられた』

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 拙著『吉原遊郭をつくった男たち』の出版が大幅に遅れている。
 それは世の女性たちにストップ! をかけられたからである。
 女子は怖い! 
 「西まさるさん! この本はいけないよ。セクハラを連想するよ。こんな本を出したら、あなたの作家生命は終わりだよ」と言われたのと同然の現象がまさに起こっているのである。

 本は1月に脱稿。2月中旬には製本され下旬には書店の店頭に並ぶはずだった。
 商業出版だから出版社は印刷する前に主な書店や書籍取次会社にこの本の売り込みに廻る。書店員さんの反応をみて印刷部数を判断するのだ。
 出版社の人が書店員さんに本の題名と内容を伝える。今、書店の現場の実権を持っているのは女性が多い。女性社員はこう言う。
 「吉原遊郭の男って、遊女をこき使って儲ける悪い男でしょう。どんな本なの! そんな本、女子は表紙を見るのも嫌だよ!」
 と吐き捨てるのだ。

 出版社の編集部でも女性編集者の中からそんな意見が多く出たという。但し、編集者は中味もしっかり読むから、そんな悪い男の本ではないと分かる・・。でも首を傾げていたという。

 ともかく、大手書店の店員さんに総スカンを喰っては、本屋大賞どころではない。店頭に並ぶのも難しい。
 そこで急遽、題名を『吉原はこうしてつくられた』に大変更。大慌てで版下も作り直し、バタバタの数週間となった。
 ぼくも当初は「本を読んでくれば分かるのに・・。題名だけで判断できるのかい」とブツブツ言っていたのだが、そこに降って湧いたのが財務省福田次官のセクハラ問題。「そうかセクハラはいかん。女子を敵にしては勝ち目はない」と妙に納得した。

 出版は5月10日。配本は20日頃。さてさてどうなることやら・・・。
 乞うご期待と言うしかない。
 

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