[トヨタのお父さん」

ファイル 103-1.jpg

 私も豊田佐吉や「豊田」の歴史を勉強するために、関連の本を手に取ることが多い。時には自分の研究課題とは違うと思いながらも、トヨタ自動車に関するものも読むことがある。そのような本と較べると、田村康子さんの「トヨタのお父さん」という本は、全く趣の違った本であった。
「トヨタのカンバン方式とは」、「トヨタのカイゼンとは」という大上段に構えたものではない。お父さんが小まめに付けていた日記を基にして、現場での様子をサラッと記述したものである。少し前に、マスコミで評判になった横田一、佐高信著の「トヨタの正体」とは対極にある本かも知れない。しかし、「トヨタの正体」が主張している社会に警鐘を鳴らすという趣旨に対抗して書かれた、というような肩に力の入ったところは全くない。
それは、主人公とも言える田村さんのお父さんのキャラクターに負う所が大きいかもしれない。田村さんのお父さんの方が榊原亀三郎のお孫さんかと思ってしまう。実際はお母さんが亀三郎のお孫さんである。
そして、もう一つこの本を読むと豊田市以外の人でも、豊田市の様子よく分かった気になるかもしれない。やはり、豊田市に実際に生まれ育った人はその土地に関しては強いなと感じた。

* 写真は田村康子さん著の「トヨタのお父さん」の表紙

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です