日本福祉大学が弱者救済所跡を学びに

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 日本福祉大学社会福祉学科の学生28人が鴉根の榊原弱者救済所跡史跡公園へ。フィールドワークである。
 愛フルタウン見学、救済所跡地見学の後、鴉根区民館で「榊原亀三郎と救済所の意義と実際」を60分。西まさるが話した。

 学生は大学生というものの1年生。ちゃんと聴いてくれるのかという心配があった。と言うのも3年ほど前にぼくは、福祉大の付属高校に呼ばれ、同じテーマで話したことがある。2年生がたしか150名ほど。その日の体験は思い出しても逃げ出したくなるものだった。
 まず先生がぼくを紹介してくれた。その時間は凡そ5分ほど。そして「西まさる先生どうぞ」と言われ、ぼくが壇上に上がる。
 目を疑った。前列、2列目、3列目。ほとんどの生徒が眠っている。机に顔をうつぶせて眠っている。誰も壇上のぼくを見ていないような雰囲気だ。
 まだ、ぼくが話を始める前でこれだ。ああ~、どうすればいいのだ。
 先生方が席を廻り、生徒を揺すって起こそうとするが熟睡する子は起きようともしない。
 それからぼくの魔の50分が始まったのであった。

 そんなトラウマがあったので、この日も怖かった。
 しかし、さすが福祉を志して福祉学部に入った学生たちだ。28名のうち25名はしっかりと話を聴いていた。あっぱれ!
 中の数名は目が光っていた。学ぼうとする目だった。熱心にノートもとっている。ぼくが緊張したほどだった。
 55分の講義を終え、質疑応答の時間を持った。
 4人の学生の質問を受けた。どれも鋭い。福祉問題の核心を突く質問だった。
 「福祉と保護の境界線はどこか?」。
 「児童虐待としつけの区別はどう見分けるのか?」。
 「差別する心についての見解は?」。

 おいおい、ぼくにそんな難しいことを訊くなよ・・、と思わず言いたくなる時間だった。逆に勉強になった。
 福祉大福祉学科1年生。鉄は熱いうちに打て、じゃないが、福祉に対する意欲のある今こそ、大いに学んでほしい。心底、そう思った。

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