月並み
中秋の名月。気持ちの良い月だ。
半田の老舗料亭「望洲楼」は、「亀崎の月」がウリ。この中秋の月の期間は例年の月見の客で賑わっている。
望洲楼の月の間では、月見団子にススキを飾り、ハゼ料理で銘酒をちびり。
村雲もなし今日の満月・・ てな具合だろうか。いいなぁ。
ぼくはお月さんを見るといつも思い出すことがある。
昔々、アララギの歌人だったころのことだ。若いぼくは盛んに月を詠っていた。月を題材にすると、どれもそこそこの歌が出来るような気がしていた。
その時、近藤芳美師がぼくの歌をみて、「それを月並みと言うのだよ」。
太古から詠い詠われた月の歌は、数え切れないほどある。
万葉集も、古今集も、新古今集も月だらけだ。
そこで、西行の月の歌がピリオドを打って、月はおしまい。
あとは、月並みが残るだけなのだろう。