榊原亀三郎と半田鴉根救済所
どう考えても不思議だ。なぜだ、なぜだろう、自問している。
榊原亀三郎と鴉根救済所のことだ。
一市民が私財を投げ出し、孤児、重病人、出獄者など、社会が受け入れない人々のために救済所を造り、彼らを受け入れた。そして多くを社会復帰させた。
その期間は明治30年から亀三郎が死去する昭和5年頃までの実に30年間。救済した人は1万4千人。
こんな慈善事業を成し遂げたのに、彼の功績どころか存在さえ誰も知らない。記録にもない。
どう考えても不思議だ。なぜ誰も拍手しなかったのだろう。