榊原弱者救済所の宣伝マン

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 ありがたいことに榊原亀三郎と鴉根弱者救済所の話をしろ、という依頼が多くなった。
 これは亀三郎の偉業が見直されていることと素直に喜んでいる。

 5月14日は西知多保護区会に呼ばれた。同会は常滑市、知多市、東海市などで成る保護司さんの会だ。

 聴講者が保護司さんだから、更生保護の話には身を乗り出して聴いてくださる。ことに刑余者の雇用問題などには目の色が違った。 但し、やりにくいこともある。

 ことに、みなさんは長く更生保護活動をされている専門家だから、あまり基本的な話は失礼かな、と思う点だ。
 「そんなこと言われなくても分かっているよ」
 と、
 「そんなことも知らないのか」
 の狭間の模索だ。

 講演の成功不成功の目安は、居眠りしている聴講者が何人いるかー がある。
 その点でみれば今回は居眠りする人はゼロ。ああ、よかった。
 しかし、ぼくの話が伝わったかどうかは別問題だ。

 というのは、保護司会ばかりでなく、ロータリークラブやライオンズクラブの会などにも呼ばれたが、その人たちのほとんどは、地方のハイ・ソサイティに属する人たち。良家の旦那さんや奥さまだ。
 そんな人たちが、
 喰いっぱぐれて悪の道に走った人の心の底。
 弱さを隠すため、あるいは反抗心を表すために入れた刺青の意味。
 そんなこと・・ 分かるだろうか、という不安である。

 ともあれ、一生懸命に話す。
 ぼくの話の核は、
 「貧乏は悪ではない。貧乏人は悪者ではない」
 「弱いことは悪いことではない。弱者は悪人ではない」。
 と、いうことだ。

 当たり前だって?
 そうかな?
 

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