辻政信『ノモンハン秘史』にびっくり!

篠田泰之さんがご著書『音吉伝』が販売されている三省堂岐阜店の棚の模様を撮って送ってくれた。

堂々の平積み。大書店の日本史・昭和史コーナーで平積みされている光景は著者として感無量だろう。それに『音吉伝』の表紙も良い。他に負けず堂々と鎮座している。

  ●中央に篠田泰之の『音吉伝』。右端に辻政信の『ノモンハン秘史』。

ちなみに「平積み」とは本の表紙が見えるように数冊重ねて積み上げている販売法。そうでない本は書架に差して背表紙しかみえない「棚差し」。ご承知のように大半の本は「棚差し」だ。書店さんがこれは売れると思った本は平積みされる。

この書店の陳列光景を見ていてびっくりが、陳列の右端の『ノモンハン秘史』である。著者の辻政信は「潜行三千里」で有名な伝説的な軍人だが、もうとうに忘れられた人と思っていた。ところが大書店にまさに平積みで本が売られている。

実は今月発刊した拙書『昭和史の隠れたドン 唐獅子牡丹・飛田東山』に辻政信を書いた。飛田東山が昭和24年夏から半年ほど辻を奥多摩で匿っていて、その隠遁生活の間に『潜行三千里』などを執筆したことが分かったからだ。

その辻政信の章を書きながら、「辻は過去の人だろうな。分かってくれる読者はどれくらいいるんだろう」などと不安に駆られていたものだ。ところが、この大書店での平積み。まだ辻政信は健在だったのだ。ちょっと別の感慨があった陳列光景である。

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