近世はなしの作り方読み方研究
近世笑話、噺本の研究書、というと堅苦しい専門書を連想して近づきにくい感じをもつだろう。
むろん研究書だから娯楽本を読むようなわけにはいかないが、
ともあれ、上の写真「挿絵」の方をクリックしてみてほしい。
○
どうでした。
挿絵を見た感想は?
これは「へつひり」という近世の咄。屁という誰でも笑えるものを題材にしたものだ。
座っている男は、いろんな屁をひって客を楽しませる曲屁師。
おならの種ともいえるイモを喰っているところだ。
そこに、障子を開けて入って来た男は、覆面姿。刀を二本差し、手には棒か十手。
おだやかではない。
さて、その覆面の男はなんと言ったろう。
その台詞は、「いもくふな」。
これが文字通り「芋喰うな!」では、笑い話の質は低い。
「いもくふな!」⇒「うごくうな!」⇒「動くな!」
なら、笑いの質が変わる。
さうなら、 おならなら……
うぅン? (…わかるかな?)
もともと文芸は言葉遊びから発展したもの。
インテリの遊び心と言える。
「近世はなしの作り方読み方研究」島田大助著。この一冊があれば、一生、退屈しない。