野の仏
榊原亀三郎の弱者救済所跡の見学会には雨にもかかわらず、多くの方に参加していただき本当にうれしく思います。これについては事務局の斉藤さんが、その時の様子を前のブログに書いているので、そちらを読んでください。
私は、その救済所跡の一郭にあった行基信仰の六字名号塔と石仏について、ちょっと一言。「南無阿弥陀仏」或いは「南無法蓮華経」と書かれた石塔を一般に六字名号塔と言います。「南無阿弥陀仏」と書かれたものは浄土系や浄土真宗、或いは時宗のお寺ではよく見かけます。行基や空海は仏教の上ではスーパーマン的な絶大な人気がある僧です。行基とお念仏のための塔はどんな関係があるのだろう。考えたが分からない。浅学にして行基信仰と南無阿弥陀仏がどのように結びつくのか、知りません。どなたか詳しい方がおられたら教えてください。
この塔の後ろに幾つかの石仏と石塔が並んでいる。その中の一つに興味がわいた。手は6本あるのか8本かは分からないが、何かその手に持物(じもつ)を持っているように見える。また、顔が三つある。頭は宝冠のようにも見えるが、動物の顔のようにも見える部分がある。私はこれは馬頭観音ではないだろうかと一人合点してみた。もう一体頭部のない石仏があった。こちらは聖観音であろうとこれも心のなかで勝手に決めた。
時々出会う野の仏と向かい合って「お前さんは一体何という名前の仏様じゃ」と言ってみるのも面白いかなと思っている。