男のまん中 鵜飼一三物語 <改訂版>

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 個人的なことでお許しください。
 昨年春、上記の本を書いた。鵜飼一三さんという一宮市の会社社長の自伝である。会社はイチコウ建設という。
 ゴーストライター業の長い僕は、この種類の本は今まで100冊近くも書いている。そのほとんどは自伝の主の名か、架空の作家名でのものだ。
 ところが、鵜飼一三氏の場合は、西まさる、僕の名で書いた。鵜飼氏の希望もあったが、彼の生き方そのものに感動したからである。
 焼け跡からの出発、挫折、一念発起して起業。そして成功。よくある創業者社長のサクセスストーリーだ。
 ところが鵜飼氏の場合は、ちょいと味付けが違う。生き様が違うのだ。
 戦後の焼け野原ではテキヤ。チンピラ同然の暮らし。そして一転、「日本一の左官屋になる!」と懸命に働き、その地方でトップクラスの左官業者、そして総合建設業に進出。だが、成功したと思えば、今の金で3億円がほど競輪につぎ込み、パー。再び、事業に専念するも右翼と対峙。今でいう行政対象暴力と毅然と戦った。国税=マルサが130名が捜査に入る脱税騒ぎも経験。
 そして今は、「金みたい重たいもんは、もういらん」と社会福祉活動に熱心に取り組んでいる。
 面白いなあ― と思って書いたのだが、作者・西の心底には、「このての自伝だし売れないだろうな」と思っていたら、あにはからんや、何と一宮市の大書店のベストセラー10位にランク。先月、堂々の増刷。改訂版として発行の運びとなった。これは「男のまん中」すなわち鵜飼一三氏の生き様への興味、共感であったのだろう。
 「お~い! 元気だせよ!」。
 いい本を書かせてもらった。

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